重さを基準に

ラグビーのワールドカップの頃、ジャパンウェイやトヨタウェイという言葉をよく聞きました。
これはチームや企業のの基準を書いたルールブックのようなものです。
モノづくりの世界では、基準書や手順書などがこれにあたります。

では、製品の基準とは一体何でしょうか
物作りで大事なことは、品質、納期、コスト いわゆるQ、C、D、と言われているものです。
では、ものを作る時の基準とは一体何になるのか
機械の重量というを一つの基準にしていました。
同じ品質、性能、納期であってもこの重量が違うという点でコストが変わってきます

例えば私が在籍していた工作機械メーカーの機械には、切削油を防ぐための大きなカバーを機械に被せていました。
このカバーですが、基本的には1.6tの鋼板が使われていました
たまたま、下請けさんに1.6tの鋼板がなく、急な納期のために2,3tで作ったドアを持ってきたことがあります
鉄板の重量は1.4倍なので、当然コストもかかります。
金属の材料の値段はキロ当たりの単価重量で求めます。

さらには重量が重いので、運ぶ時に手で持って運ぶっていうことができなかったりします。
するとそこに時間というコストや人の工数というコストがかかってきます。

 

コンベヤーメーカーででは、私が入社した当初はカバーの厚みは1.6tでした。
薄肉化で機械重量を下げる作業を行った時には、この板の厚みを1.2tに変えました。
厚みを落とすとおよそ30%の重量のダウン、コスト削減につながります。
すると、機械の重量が軽くなり、運ぶ時も楽になり、工数もかからず、また塗装の工程なども大変楽になります。

この板板の厚さという基準を変えることによって、製品の重量という基準がガラリと変わります
鋼板の厚みを下げる方法は、板の厚さを高張力鋼に変えたり、リブを入れたり、曲げを入れたりすることによって強度を増します。
また、材質を変えることによって強度を保つことができます
私たちが使っていた材料は、SPHCという材料(やわらかくて加工しやすい)ですが、この材料には強度が指定されていません。
強度が必要なところにはSS400などの材料を使っていました。
焼き入れも効果があります。
車メーカーもこの焼き入れを部品に行うことによって、部品を軽くしているところがあります。

設計者は不安感を持つと、ついつい厚みのある材料を使いがちです。
けれども、そういうテクニックを覚えることにより軽くて丈夫な機械や部品を作ることができます。

機械の基準を重量という点から見るということは、コストの面でも納期の面でもとても重要です。
効果が上がる上がります

このように物作りには重量を入れていくということを習慣化して続けることが重要になります
重量は、以前このブログに書いた、カーボンフットプリントにも関係してきます。
今言われている脱炭素社会のに貢献するためにも、機械の重量を図面などに明記し、機械の重量を下げる手法はとても効果的です。

また、材料を変えるというのもあります

先程述べた、カバーなどの板付を変えるというところがありましたが、機械の基本的なところでも

このように重量を基準にした物作りというのは一つの製品のコストを図る上での重要なポイントになります

ある程度大きな企業になると当然重量のことを考えますが、個別生産設計でものづくりをしている企業の多くはこの重量というものを出すのは大変大変なので省いていることがあります

この重量は部品一つ一つの積み重ねです。
設計時に重量を出すということが、その部品の見積もり時の値段にもかかわってきます。
設計時にはしっかり重量を入れて機械の総重量を計算すると言うことがとても大切になってきます

みなさんの会社のルールブック基準書を一緒に作ってみませんか

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