個別製番設計と標準設計

機械設計で、標準化を進める事には意義があります。
同じものを作ることにより品質の安定、納期の確保、コストの削減につながるからです。

同じものを作っている企業、たとえばねじや継ぎ手などは、標準化を推し進めることで利益が得られます。

 

ほとんどの企業は、何らかの形でお客様に合わせた製品を作っています。

 

 

 

個別製番設計とは、お客様に合わせた製品を作ることです。
例えば、原子力や兵器などは、環境や能力に合わせたモノ作りが必要でしょう。

 

ちょうどその中間、お客様に合わせた製品、標準のラインナップをそろえているものづくりが多いのではないかと思います。

例えば、自動車産業。
車の色や内装品、馬力、大きさ、など、昔は仕様が多かった。
今では、プラットホーム化が進み、ベースとなるフレームなどは、共通化がすすみ、組み合わせによる、製品の個性化が進んでいます。
個別製番設計品といえども、共通の部品を増やすことにより、標準化を進め、QCD(Q:品質、C:コスト、D:納期)を向上させる時代になって来ました。

今の時代は、多様化の時代だとい晴れています。個性を伸ばす時代だとも言われています。時代の変化も激しく、新製品のサイクルも早くなってきています。

その中で、QCDを上げて行くには、標準化の組み合わせがキーになってくるのではないかと感じています。

設計者は、部品を流用することを面倒がりますし、すぐれた設計者は、自分の考えを、製品の中に取り入れたいと思っています。

流用品を新製品の中にどうやって取り入れて行けばよいのか?
一つの方法としてあげられるのは、検索しやすいデータベースを構築することです。
探す時間や、計算する時間が省略できれば と考えている設計者は少なくありません。
また、個人でデータを蓄積して、自分の世界で設計しているエンジニアも多いと思います。
私もその一人ででした。

標準化とは何かというと、個人の蓄積したデータを基に、共通の認識、共通の知識、共通の経験を共有することかもしれません。

実際に私の経験では、基準書や手順書、部品の不具合データベースなど、システムの中に雲こんで運用すれば、チームとしての効果として大きなものが得られます。

CADのデータベースを作ることにより、設計時間が20%近く向上した例もあります。

 

個別製番設計は、顧客の使用に合わせたものだけだはなく、自分たちの中にあるものづくりの技術を共有化して、利益につなげるチャンスでもあります。

ただただ、CADに向かって設計するのではなく、過去のデータを標準化し、そのデータを基にモノづくりを進めることが、QCD の向上を促し、利益を上げる基になる可能性があると感じています。

個別製番設計につながる資料作り、データベースづくりが、企業に利益をもたらします。

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