【ものづくり】チェーン

伝達機械要素として使われるのが、チェーン です。

自転車や、車、産業機械に多く使われています。
チェーンの良いところは
安価で、長寿命で、体環境性に優れ、オプションがいっぱいある。
というところでしょうか

近年、音の問題や樹脂製品の性能の向上などで、
少しずつ使用量は減ってきているように感じます。

チェーンの歴史は古く、紀元前に港を守るために設置されました。
アテネの外港として築かれたピレウスの港がその初めとされています。
その後形を変えて、産業革命後は工業用チェーンとして形作られてきています。

チェーンの寿命についてごご紹介します。

チェーンの寿命をどうとらえるかですが、
通常は、チェーンの摩耗伸びで寿命を判断します。
チェーンのピッチ差が、チェーンのローラー径の半分(たとえば#60の場合 ローラー径=φ19.0なので9.5㎜)を超えていないかが目安となる。
これを超えると、駒とびを起こす可能性があります。
摩耗伸びとは、ブッシュとピンが摩耗により隙間ができてきて伸びることを言います。

・チェーンの使用環境(ほこり)、
・初期給油
・チェーンにかかる張力
・チェーンの構造
などが寿命に影響を与えます。

以前実験を行った結果から
・使用環境でほこりの多いところでは、
ほこりのない環境に対して1.2倍の伸び
初期給油を行わないと 1.4倍の伸び

・張力は、たとえば#60で、0.3MPaと0.1MPAで比べると
13倍の伸び

チェーンの構造では、巻チェーンとソリッドチェーンを比べると
給油なしの状態では 1.4倍
給油ありの状態では 3.7倍
の寿命差が出てきます。

そのほか、無給油チェーンや、リングチェーン、など
チェーンの構造で寿命が変わってきます。

チェーンを使う上で、寿命を長持ちさせるには
給油することが大切です。
給油以外の項目は、使用する側の問題でどうにもならないこともありますが、
給油は、設計時に考慮できます。
物理的に難しい場合には、取扱説明書に明記しましょう。

給油での注意点は、最初に給油しないということです。
各メーカーは、チェーン作成時に、
自社の最適な潤滑油をセットしてきます。
納品時にその油を給油で流してしまうことになります。
メーカーでの対応が難しい環境以外では、
メーカーが指定している初期給油の期間を守りましょう。
※初期給油時間がわからない場合は、メーカーに聞いてください。

XリングやOリングチェーンでも給油は必要です。
給油は、内プレートと外プレートの間に給油するようにしましょう。

給油を行わないと、寿命が短くなるだけでなく
機械効率も悪くなり、キンク(焼付)の状態になります。

給油は、いろんな面で必要です。

給油をやりすぎると、油飛散に繋がります。
カバーをつけたりして油の飛散対策の考慮が必要なこともあります。

騒音に対しては、耐熱グリスコーティングチェーンを使ったこともあります。
音の大きさもそうですが、音の質も変わるので効果がありました。
価格は、上がりますが給油期間も長くなるので他のメリットもあります。

給油期間を確認する方法として、駆動モーターに電流計をつける方法もあります。
電流値が高くなったら警報を出します。
それほど高くないので、メンテナンス用として取り付けるのもよい方法です。

以上 チェーンを寿命という観点からご紹介しました。

チェーンについては、機能という面でご紹介したいこともあります。
機会があれば、ご紹介します。

 

 

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