冷凍仕様(4)

機械を設計するときにどんなことを注意すればよいかというと

①摺動するところには、油の問題
②樹脂やゴムには、耐寒性の問題
③熱処理をした材料には、性能劣化の問題
④接着している面については、接着性の問題
⑤センサーなどの電子機器には、機能低下の問題
⑥材料自身には。機能劣化の問題
⑦エアーを使っている場合の結露の問題

などがあります。

③熱処理をした材料には、性能劣化の問題
鋼の炭素含有率が多いと、低温脆性が起きやすく、衝撃に弱いとされています。
熱処理で硬度を増した材料(調質高張力鋼)は、一般的な炭素鋼より靱性が優れています。低温脆性が起きにくい。-20°程度までは、使用できます。
メーカーにより、低温時の強度が違うので、確認が必要です。

④接着している面については、接着性の問題
通常の接着剤、接着テープは、0℃以上での環境での使用となっているので、温度に合わせた、低温用の接着材で接着する必要がある。接着時の温度管理が必要なものがあるので、使用方法などもメーカーに確認して選定を行う。

 

⑤センサーなどの電子機器には、機能低下の問題

光電管やリミットスイッチは、メーカーにより使用温度が定められている。

-40℃以上では、リミットスイッチや、近接スイッチで使用できるものがある。
-25℃以上では、光電管センサーがほぼ使用できる
-10℃以上では、エンコーダーやエリアセンサーで使用できるものが多い
※使用時には、結露に注意する必要がある。
エンコーダーを-10℃以下で使用する場合は、ヒーターを設置するなどの検討が必要

シーケンサー、インバーター、安定化電源などは、-10℃以上での使用が必要となります
これらの機器は、制御盤の中に入れて、ヒーターで盤内温度の管理を行って使用します。
※使用する機器について、メーカーに使用温度を確認して使用します。

パソコン、タブレット、プリンター、UCP などの情報機器は、0℃以上の環境で使用できるものがほとんどです。
低温環境で使用する場合は、温度管理をした保護箱の使用が必要です。
ハンディスキャナなどは、-20°以上の使用環境で使えるものもあります。

 

⑥材料自身には 機能劣化の問題
①のリバティ船のところでも聞きましたが、金属は温度が下がると脆くなります。
-20℃以下での使用は、使用する材料の検討が必要です。
-10℃以下の環境に気合を入れる場合、材料の強度を検討し安全率をかけて計算するなど検討してください。

⑦エアーを使っている場合の結露の問題
低温環境と通常関係の境目で起こるのが、結露の問題です。
エアー関係は、常温環境にコンプレッサーを置いて低温環境にエアーを供給します。
エアー供給時の注意点は、
設備配管エンド部にエアーブロー部を設け機器にドライエアーを供給しながら十分なフラッシングを行なうこと
ドレンなどが一緒に供給されないように配管方法を検討し、フィルターを通して低温環境に十分なドライエアーを供給することです。
エアー機器メーカーに相談すると具体的に環境に合わせた設置機器や方法を教えてもらえます。

 

以上で、冷凍仕様はおしまいです。

検討する項目が、結構ありますが、項目をチェックすながら行えばお客様に喜んでいただける設備を納品できます。

 

 

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